昨年、とてつもない痛みと共に来院された方です。
昨日、再来院され 状況がかなり改善されていたので
皆さんにご紹介させていただきます。
デンタル(小さいレントゲン)で確認できる範囲では 虫歯の取り残しも見当たらず、
特に問題はなさそうでした。
歯髄腔がかなり小さくなっているな、という事と
根尖周囲の骨がやや暗く消失気味と
いうことぐらいで...
しかし しかしパノラマ(全体をみる大きいレントゲン)
を見てみると
な なんと歯冠大よりも大きい根尖病巣が
あったのです。
これは症状が発症したら痛そうです。いや、発症してしまったのです。
かなり痛そう!!!かわいそうに。
結果、前医はうまく神経を残したのに、後で衰弱・壊死し腐ってきたんでしょうね。
一度、とてつもない痛みだとか、熱い物で痛いとか症状があったはずです。
3・4日我慢していると治まってしまうケースもありますから。
しかし、骨の中では次の反応が起きています。
そう、膿が貯まり始め、骨が吸収しはじめます。
後は、そう...どうなるか想像したら怖いですね。
当日、金属を外し根管内を拡大洗浄したのですが
特に著しい排濃はなく、まだ痛そうでしたので、麻酔後 外側を切開排濃しました。
そうすると暗赤色の血と黄白色の膿がドロッと出てきました。
この後、通常のように拡大が出来たからといって、すぐに根充材(根の中の栓)で
栓をすると根尖病巣が「消えるかもしれないし」、「消えないかもしれない」
ので、水酸化カルシウム療法で根尖を触知するのが
患者さまが解るところまで薬を交換し、約1年ほど経過してから根充(根の中にゴムを満たす治療)
そして、半年後
な、なんと、あれほど大きかった根尖病巣が消えているではあ~りませんか。
1本の為に、かなり時間を費やし、患者さまにも「まだ終わらないんですか!!!」
と、いろいろありましたが、手術して顔を腫らすよりは良かったのではないかと。
小柄な女性でしたし、接客業でしたから。
神経を取ったら必ず根の治療を完治させ、
歯に違和感があったら必ず歯科を受診しましょうね!!