今回のケースは、約20年ぐらい前に自費の前歯を入れられた方です。
全顎的な治療がほぼ終わり、歯科用CTを導入したので
『今までの治療結果はどうかな?』
ということで『歯科ドック』を兼ね撮影しました。
まだ治療していない前歯に小さな根尖病巣があったので チェックしてみると
意外と根尖病巣が大きかったのです!!!
患者様も CTの画像説明の際に
『何ですか これ!!!!』
と...
従来のレントゲンを診ているだけでは そんなに大きくなかったのですが
3Dで見てみるとかなり大きかったのです。
それではケースを見てみましょう。
≪術前:レントゲン≫
根尖病巣が確認でき、根尖と根充材の間に隙間が確認できます。(矢印の部分)
右側に黒い像(根尖病巣)が確認でき そんなに大きそうではありません。
≪術前:歯科用CT≫
歯科用CTで撮影してみると、従来のレントゲンでは分からない
唇口蓋側方向に巨大な根尖病巣が存在するのが確認できます。
レントゲンでは右側のみに根尖病巣があったように見えましたが
実際には 歯根根尖を囲むように存在しました。
歯根と根充材との間に隙間が確認できます。
≪術後:レントゲン≫
歯根根尖を少しカットし、根尖方向から根充材により根管を閉鎖しました。
骨内を掻爬したので 骨の吸収像がはっきりと確認できます。
歯科用CT画像と同じ状態ですね。
≪術後:歯科用CT画像≫
逆根管充填(根尖方向からの閉鎖)しているため、
根充材が緊密に充填されているのが確認できます。
≪術後:除去した根尖病巣≫
骨面から綺麗に剥離できた為、まるで肉団子のようです。
この中に黄白色の膿がたまっていました。
いわゆる 約20年もの!!
ですね!!!
結果、従来のレントゲンでは骨吸収を正確に捉えることはできず
今回のようなケースは 歯科用CTなくしては 見つけることはできませんでした。
早く歯科用CTが保険適用になり、安価になることを
願っています。