5月29日のブログのケースです。
メンテナンスにいらしたので その後の確認写真を撮影させていただきました。
以下 前回のブログ引用
今回のケースは、約20年ぐらい前に自費の前歯を入れられた方です。
全顎的な治療がほぼ終わり、歯科用CTを導入したので
『今までの治療結果はどうかな?』
ということで『歯科ドック』を兼ね撮影しました。
まだ治療していない前歯に小さな根尖病巣があったので チェックしてみると
意外と根尖病巣が大きかったのです!!!
患者様も CTの画像説明の際に
『何ですか これ!!!!』
と...
従来のレントゲンを診ているだけでは そんなに大きくなかったのですが
3Dで見てみるとかなり大きかったのです。
それではケースを見てみましょう。
≪術前:レントゲン≫
根尖病巣が確認でき、根尖と根充材の間に隙間が確認できます。(矢印の部分)
右側に黒い像(根尖病巣)が確認でき そんなに大きそうではありません。
≪術前:歯科用CT≫
歯科用CTで撮影してみると、従来のレントゲンでは分からない
唇口蓋側方向に巨大な根尖病巣が存在するのが確認できます。
レントゲンでは右側のみに根尖病巣があったように見えましたが
実際には 歯根根尖を囲むように存在しました。
歯根と根充材との間に隙間が確認できます。
≪術後:レントゲン≫
歯根根尖を少しカットし、根尖方向から根充材により根管を閉鎖しました。
骨内を掻爬したので 骨の吸収像がはっきりと確認できます。
歯科用CT画像と同じ状態ですね。
≪術後:歯科用CT画像≫
逆根管充填(根尖方向からの閉鎖)しているため、
根充材が緊密に充填されているのが確認できます。
≪術後:除去した根尖病巣≫
骨面から綺麗に剥離できた為、まるで肉団子のようです。
この中に黄白色の膿がたまっていました。
いわゆる 約20年もの!!
ですね!!!
結果、従来のレントゲンでは骨吸収を正確に捉えることはできず
今回のようなケースは 歯科用CTなくしては 見つけることはできませんでした。
早く歯科用CTが保険適用になり、安価になることを
願っています。
ここから 本日のブログ。
≪術後1.5カ月後のレントゲン≫
術後のレントゲンに比べ明らかに黒い部分の大きさが変化してきています。
≪術後4カ月後のレントゲン≫
術後のレントゲン・術後1・5カ月後のレントゲンと
比較しても 明らかに白い部分(骨の
改善部分)が大きくなり
黒い部分(歯根膿胞のあった部分)が
縮小 してきています。
≪4ヶ月後の歯科用CT≫
左上の画面:正面からの画像です。黒化度具合が低下しています。
つまり、骨が再生しているという事です。
右上の画面:矢印で挟まれた部分の黒い透過像がわずかな量になっています。
既存骨から骨が再生している像がはっきりと確認できます。
根尖部分の骨は最後に治癒します。
左下の画面:矢印の部分でつながっていた黒い部分が消え、
白い骨が再生してきているのが確認できます。
レントゲン以上に 歯科用CTのほうが治癒の確認ができています。
確かに 従来のフィルムよりも改善度の良い デジタルレントゲンが導入されていれば
より鮮明に評価でき 画像診断できます。
しかし 3次元的に確認できる 歯科用CTを使用すれば
さらに より詳しく治癒が確認できます。
ここまで、治癒が確認できれば もう安心!!!
今度は何もなければ6ヶ月後にご報告します。