避難所口腔ケア支援マニュアル

 

◆食事むせにくく・虫歯予防も/歯科医師ら推奨

 避難所生活が長引くなか、簡単にできる「口の体操」を歯科医らが勧めている。

口や舌を大きく動かし、ほおやあごの内側をマッサージすることで

唾液が分泌され、食事のときにむせにくくなる。

 

 神奈川県厚木保健福祉事務所の北原稔保健福祉部長は

「口の中が汚れると細菌が増え、

ウイルスに感染しやすくなる。

唾液の分泌は感染症予防にもつながる」

と話す。

 

 

 北原さんらは、県から被災地へ派遣される保健師や看護師らのために

「避難所口腔ケア支援マニュアル」を作成、

顔面体操や舌体操を盛り込んだ=イラスト

口の体操.jpg

 

口を閉じたまま行う舌体操は、

(1) 上の前歯と

              上唇の間に舌を入れ、

                        舌で上唇の内側を押す
 

(2) 続いて下の前歯と

                 下唇の間に舌を入れ、

                        下唇の内側を押す
 

(3) 舌で左右のほおを交互に押す
 

(4) 閉じたままで唇の内側を

                なめるように回す。

                        右回り、左回り両方。

   (1)~(4)をそれぞれ5回ずつ。

 

 

 

 

 お茶や水に頼らなくても、のみ込みやすくなるため、食前にする。

特にのみ込む力が衰えているお年寄りは、誤嚥性肺炎を招きやすい。

1日に3回、習慣づけるといい。

 

 虫歯や歯周病の予防にもつながるため、被災地以外の人にも勧めている。

80歳で自分の歯を20本以上保つことをめざす8020推進財団の

ホームページ内の資料http://www.8020zaidan.or.jp/pdf/kenko/start_care.pdf )で、

首や顔の体操、唾液腺のマッサージなども紹介している。

 

 

 

 

《2011年4月8日付朝日新聞朝刊から》
 
 
 
 

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